玄米と血液
「玄米を上手に炊いて、バカのひとつおぼえでよいから、コツコツ、モグモグよく噛んで食べ、あせらず、あわてず、あきらめずにつづけさえすればよい」
というと、それは新興宗教のようだとか、人生のたのしみがない、といわれたり受けとられたりします。
玄米狂変じて玄米教だなどと、いうひともいます。
私に対してなんといってくれても、かまいません。
しかし、玄米に対しての誤解や偏見や悪口はいけません。
お米ほどありがたい食べものはなく、このお米に対してその真実をわきまえない偏見での軽はずみの言行は困ります。
悲しいことです。
お米は、天地が人類に恵みもたらし下された、最高のタカラモノ(宝物)です。
タカラモノとは「田からの母の能」の意味も秘めているようです。
「田」とは、陰(マイナス)と陽(プラス)の電気が結びあって大地に化した象徴の文字でもあるそうです。
このタカラモノについて、最少限のことは述べておかなくてはなりません。
玄米を食べるまでは、私もお米に無知な人間でした。
無知ゆえに病気になり、病気のおかげで玄米のご緑を恵まれたのですから、病気は無知への愛のムチだったのです。
さて、まずは玄米と血液(赤血球)について述べなくてはなりません。
健康なからだには健康の条件がある、いまさらいうまでもないことです。
しかし私の理解する健康の条件のいくつかを、ぜひとも述べておきたい。
私の恩師桜沢如一先生は、健康の条件を次のように規定しています。
一、絶対に疲れない
二、ごはんがおいしい
三、よく眠る
四、もの忘れしない
五、いつもニコニコ愉快でたまらない
六、判断も行動も万事スマート
七、けっしてウソをつかない
彼は、この七つをもって「健康の七大条件」とし、それぞれに点数をつけて健康度をはかるようにしています。
私はこの条件をはじめて知った時、「こんなムチャな健康条件は、信頼できない」と思いました。
生身の人間が、絶対に疲れないとか、もの忘れしないなんてことは考えられません。
他の項目に関しても同様な感想でした。
この七つの条件のどれもが、玄米食をはじめた当初は、すべて突飛もない別世界のことで、ハッタリに思えました。
それほどに、私は病人だったわけです。
陰性人間だったのです。
ところが、玄米食をつづけるうちに、完壁ではありませんが私も疲れなくなり、快食、快便、快眠できるようになり、これらがどれもスバラシイ指標であることを納得できるようになりました。
そしてこれらが、肉体的、生理的、物理的、心理的、精神的、道徳倫理的根拠に由来するスバラシイ条件であると、理解できるようになったのでした。
桜沢先生は、玄米食によって、この条件はかなえられるし、これを実現するのでないなら玄米食をする意味はない、と述べています。
玄米食のスバラシサの一例です。
桜沢先生の恩師といわれる石塚左玄先生(1851〜1910)は、玄米の力に関して、またべつの見方をしています。
健康な身体には、健全なる生理的条件があるのは当然ながら、その具体的なものは何か。
その具体的探究をなされました。
血液の生理に注目したわけです。
和方医学の精神で、血液を科学的にわが国で最初に研究した医学者といえます。
健康な血液には、健全な赤血球があること。
健全な赤血球には、健全なる赤血球の条件のあることを研究されました。
「赤血球中のナトリウム(Na)とカリウム(K)のミネラルバランスが1対5の時、人間は健康である」
ことを発見しました。
そして、赤血球中のナトリウムとカリウムのミネラルバランスを1対5にするには、どうすればよいかを追求し食物の分析と食べ方を研究したのでした。
この過程で、たくさんある食物のなかで、玄米(明治期前のもの)がナトリウム、カリウムのミネラル比が1対5であることを発見します。
と同時に、ひとの歯の形態と構造から、人間は穀物菜食動物であると診断しています。
「お米や穀物を主食にして、赤血球のナトリウム、カリウムのミネラルバランスを1対5にする」。
これが、病気を治し、病気にならない健康体の基本条件である、と。
これは非常に重要な健康理論です。
血液、体液には、健康体に必須の健全なミネラルバランスが各ミネラル間にある。
その中で、赤血球中のナトリウム、カリウムのバランスは代表的な指標です。
石塚左玄先生は、そこに着目したのでした。
では、なぜ、ナトリウムとカリウムのミネラルバランスが重要な代表的指標か、が問題となります。
本当は、専門家による学術的論証を紹介したいのですが、末だ、そのような研究にはおめにかかれていません。
それゆえ両先生を紹介しつつ私見を述べることにします。
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