3胎児と赤ん坊と牧畜民の相似象
ライオンでもトラでもハゲタカでも、オオカミやキツネでも、野生の肉食動物は倒した動物のハラワタ(臓物)を優先的に食べます。
そこに新鮮な野草成分(植物性栄養成分)がいちばんあることを知っているのです。
たぶん、いちばんおいしいと感じるところでもあるのでしょう。
このように彼等の本能は、植物(草や木の実)が本来の食物であることを承知しているのです。
また彼等肉食動物が捕獲の対象にするのは草食動物です。
よくよくの事情がないかぎり、最初から肉食動物を襲うことはしません。
本能は宇宙と生命の秩序を知っていますから、できるだけ植物にちかい食物の捕獲につとめているのです。
さて、動物は、土を食べる能力をさずからなかったかわりに、移動できる能力をさずかりました。
動物という呼称のいわれであり、最大の特徴です。
この能力によって、本来は居住定住すべきではない場合にまで足をのばし、居住定住するようになりました。
食べてはいけない食物をも、背に腹はかえられないで、食う習慣を身につけるわけです。
農耕民は植物性食物を主たる食糧にしたのに対して、遊牧畜民は野生動物を家畜化し、家畜を主たる食糧とする生活をすることになりました。
牧畜を生業とせざるをえない土地に居住したがために、動物性食(肉食)を行うようになったのです。
植物性食物を十分に調達できさえすれば、彼らとて、あえて宇宙法則違反をしたいわけではなかったはずです。
なぜ、このような推察ができるか。
野生動物に関してはさきほど述べたことにうかがえます。
牧畜民の食生活は、動物性(陽性)をできるだけ植物性(陰性)化して飲食する知恵にあふれています。
私は、彼らとともに生活した体験があるわけではありませんから知ったかぶりはできませんが、本やテレビや新聞などによって、彼らがいろいろな方法で宇宙法則違反にならない飲食上の工夫をしている様子を知ることはできます。
牧畜民だからといって肉ばかりを食べているわけではありません。
穀物や野草や果実や、収穫しうる植物性食物を家畜と同等以上に貴重な食糧として扱っている。
植物性食物が正食であることを十分心得ているのです。
極寒冷地に生活するイヌイットたちも、その本能的志向においては同じにちがいありません。
これらのことは、胎児と赤ちゃんの生態を観察すると明白です。
胎児と赤ちゃんは、寒冷地人や牧畜民を象徴していると考えられます。
胎児は、この世に生まれ出るまでは、おかあさんの胎内という100%動物性成分に囲われた世界の住人です。
牧畜民が家畜に囲われて生活するのと相似象です。
この世に生まれ出ると、お母さんのオッパイ(母乳)をのむことになります。
オッパイは、お母さんという動物のからだでつくられる動物性食物です。
人乳にかぎらず動物の乳は、どれもみな動物性食物です。
しかし「乳」は、肉や卵とは大いにちがう点があります。
動物性食物であることにはちがいないのですが、ここには宇宙法則の意志が歴然とはたらいているのを理解できます。
母乳はお母さんの血液からつくられます。
血液は赤い色(陽性)をした液体です。
赤くて、やや塩からい(陽性)味のする、ねばっこい(陽性)液体です。
この血液が、このままオッパイになるのでないことは、だれでも知っています。
ことによると、オッパイは乳白色をしているので、血液からできるとは思っていないひとが多いかも知れません。
母乳は、お母さんの赤い(陽性の)血が白い(陰性の)血につくりかえられ、白い血にさらに脂肪や糖分が加えられて甘く調整され、赤い血からつくられたとは思えないほどサラッとした乳白色となるのです。
赤い血が、なぜこのように白い乳につくりかえられる必要があるのでしょう。
これは、母乳という動物性食(一種の肉食)を植物性化するための、新生児への神のはからいといえる神秘的な生理作用です。
生命の秩序、宇宙法則にしたがう生理作用です。
動物は植物を食べるのが原則です。
植物を食べるということは、短絡的な表現になりますが、葉緑素を食べるといってもよいでしょう。
人間の血液は、植物の葉緑素が転換してヘモグロビンという赤色のタンパク質になった。
葉緑素の中のマグネシウム(Mg)が、鉄(聖に入れかわったのがへミンです。
光分析器にかけると、マグネシウムは緑色を、鉄は赤色を呈します。
植物と晴乳動物を象徴する色素です。
陽性な動物は赤い血をもち、陰性な植物は緑の血をしている。
赤い血をもつゆえに陽性、緑の血をしているゆえに陰性ともいえます。
お母さんという動物胎内で赤い血で養われていた胎児は、赤ちゃんとなってこの世に二個のひとおよび人間として飛び出します。
しかし飛び出してすぐに単独で、植物性食物を食べて消化吸収できるわけではありません。
歯が生えそろっているわけではなし、消化液や消化酵素や免疫体制などが十分にととのっているわけではありません。
植物性の食物を消化吸収できるようになるまでのあいだ、母乳が必要です。
母乳は、赤ちゃんがほぼ「本前になって単独で植物性食物を飲食できるようになるための橋渡し的食べものであり、植物食への訓練食なのです。
この訓練を経て、ひとは原則として植物性食を主食とせよとの命令をさずかるわけです。
このように人間の主食は植物性であって肉食(動物性食)でないことは、生理現象や本能性向などいろいろの面に観察できます。
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