玄米の構造は人体の消化吸収の秩序に合致
「日本人はお米のお化けである」という意味のことを安藤昌益が述べたことは、まえに記しました。
お米が日本人になったといって良いほど、日本人は心身ともに「稲」のおかげをこおむり、「お米」の生命力をきずかっているという意味です。
お米は、世界各地で生産されています。
それぞれの土地や国の米は、それぞれの土地に生活する人びとに適していて、お米ならどこの国のものも同じとか、どれを食べてもかまわないという考えは、まちがいです。
もちろん、旅行した時とか、しばらくの滞在でその土地のものを食べる程度のことはかまいません。
しかし、遠民がこぞって、異国・異風土産の食物を輸入にたよって主食にして長期間常習すると、やがて健康を害することになります。
今日、原因不明とされがちな病気や虚弱化は、不自然な輸入農産物や加工食品に由来する点も大きいのです。
因果関係を立証できないという理由で、放置放任されている。
しかし、昔なかった不健康症状や病気の多くの原因は、こうしたところにひそんでいます。
国々によって土壌や水質や大気質や日照などが、みなちがいます。
そのちがいは、お米の品質のちがいになっていて、異風土産食糧や食品の常習は、いつしかからだの陰陽バランスを偏らせることになります。
一例として、沼田勇博士は、次のような指摘をしています。
「アメリカの土壌は日本と異なり、ビタミンEの数百倍の抗酸化作用をもつというグルタチオン・ベルオキシターゼの構成要素セレニウムが少ないのです。
日本人に比較的ガンが少ないのは、米に含まれるセレニウムのためだと、考える人もいます。
発ガン性農薬をくらった、セレニウムの少ないカルフォルニア米を歓迎したがる人の神経が、私にはわかりません」(沼田著前掲書)
玄米に含まれている栄養成分は?効果・効能のほどは?
すなわち、日本のお米は、カルフォルニア産にくらべ天然自然のセレニウムなどがほどよく含まれているゆえ、国産米を食べてきた日本人はガンにかかりにくい体質の国民であった、という説明です。
ところが、発ガン性を心配されるポストバーべスト(収穫後の農薬散布)処理がされ、しかも成分上も日本のお米に劣るものを歓迎するとはなんたることか、という訴えです。
お米にかぎらず日常の食物は、土地の産物がいちばん良い、のはいうまでもありません。
「身土不二」の原則は、人類みな守るべきことです。
外見が似ていれば、どこの国の米でも肉でも果物でも野菜でも飲み物でも、たいしてかわりないというのは、頑健な肉体を生まれながらにきずかった一部の強者の暴論暴言です。
とくに日本のお米は、地球上に類例をみられない恵まれた地理条件によって、栄養的にも生命エネルギー的にも日本人に適した調和した食物です。
お米のおかげで、今日の日本人が在り得ることを、しっかり理解しておかねばなりません。
日本人の心身は、稲とお米によって構成されているといっても過言でないことを、しっかり学びとる必要があります。
まさに安藤昌益のいうとおりなのです。
私はその一例を、玄米が消化吸収される秩序の中に、次のように観察するのです。
玄米の消化と吸収の秩序を考察する前提として、宇宙およびこの世の「三層構造」について観察しておきましょう。
地球生態系は、気体・液体・固体の三層から成っている。
大気圏・水成圏・鉱物圏の三層とみなしてもよいでしょう。
同様に、というかこれゆえにというべきか、生物は形態は異なっても、生態はこの三層構造と機能(関係)の相似象です。
単独で分離して存在するものはなく、みなつながりあっています。
ひとのからだを例にとれば、皮膚・筋肉、骨とか、栄養素でなら脂肪・タンパク質・炭水化物とか、生活必需品は衣・食・住であるとか、このほか天・地・人の関係とか、陸・海・空、動物・植物・鉱物とか、立法・司法・行政の三権とか、真・善・美とか三層および三位が一体的にはたらいて生態系をなすようになっている。
それも、それぞれの層や位が均一に分離独立しているのではなく、それぞれが連なってからみあう三層なり三位に微分されるような形態をしている。
「自然には飛躍はない」ことはまえに述べました。
この宇宙およびこの世の自然現象には、ひとつとして飛躍はなく、すべて上中下、大中小、前中後、左中右、長中短、軽中重というように三連関系になっている。
三連のそれぞれが、また三連になっているというぐあいです。
玄米はデンプン質(炭水化物)が人体内で一度に、一気に消化吸収されない構造です。
なぜそうなのか。
それは、もっとも純正良質なデンプン質が最終的な吸収器官の小腸で吸収される必要があるからです。
体調を狂わす不自然な血糖の急激な高低現象や反応をおこさない構成になっている。
白米、砂糖、アルコール、砂糖入ジュース等がからだに悪いのは、血糖を一気に高低させてしまう裸のデンプン・ブドウ糖質(糖質)だからです。
歯によって噛み砕かれた玄米は、唾液をまぶされて消化酵素のはたらきをうけ、消化体制にはいります。
炭水化物は栄養素のうちで最重要成分ゆえ、すべての消化工程をまんべんなく経たのちに吸収される仕組みになっています。
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