白米食は弱者をなぜ弱くするか
米の化学成分表を、じっと、よく見てください。
白米は、玄米から糠(ぬか)層と胚芽部をはぎとったものです。
はぎとり度に応じて五分つき米、七分つき米、胚芽米、精白米に分けています。
三分つき米というのもあります。
精白米は、玄米の8%が、五分つき米は玄米の4%が、はぎとられます。
昔は、お米もその他の穀物も精白しないで食べていたので「質実剛健」の体質と気風(精神)が人体にも社会にも充満していました。
江戸元録以後、白米になって、日本人は身心ともに薄弱、虚弱へと進行しています。
それに比例して、社会も国も変わってきているわけです。
精白するとヌカと胚芽が特に奪われ、タンパク質、脂肪、繊維およびミネラルが減少し、その中でもビタミンB1も急減しています。
江戸時代、白米の流行に比例して脚気が流行したのがうなずけます。
糠(ぬか)と胚芽をはぎとったデンプン質ばかりの多食では、体内のミネラルバランスが崩れてしまいます。
このため現代栄養学では、一日30種品目以上の食品を摂取することを義務づけるわけです。
白米の欠陥を、副食で補おうというわけです。
白米食や白米社会の構造はそのままにしておいて、弱者を根本的に強く健康にするのではなく、その時とその場しのぎの対症的な処方です。
糠(ぬか)層と胚芽つきの玄米と、30品目以上の副食つきの白米、自パンでは、意味も栄養の成りたちも、まるっきりちがいます。
このことに関しては、分散的な説明になりますが、このサイトの中で随時述べるといたします。
要するに白米食では食物どうしの栄養成分にいのち生命のつながりが無いのが最大の欠点です。
食品の栄養を人体の栄養に変換するについて、自米食は玄米食にくらべて何層倍もの過剰労働と作業を必要とし、そうしたからとて玄米と同等にはなりません。
人体は労多くして益少ない強制労働と作業を、毎日毎日義務づlけられるわけです。
五臓六腑や神経が酷使されて弱るのはあたりまえです。
玄米の糠(ぬか)層と胚芽部の成分は、有用微生物群が特に愛好する栄養分です。
この点が重要なところです。
有用微生物は腸内有用細菌叢となって、人体が必要とするあらゆる栄養素のほとんどをつくり出す、玄米は腸内に微生物の健康な共存共生社会をつくり出します。
白米はこうはゆかない。
デンプン質過多の白米は、活動する微生物の種類と繁殖を限定すると同時に偏らせてしまいます。
加えて、30種品目以上の食品はそれぞれ統制のないバラバラな微生物を誘引したり、繁殖させたり、中には化学調味料とか化学添加物とか化学薬品とか放射能などを含有したものがありますから、有用微生物は滅殺されてしまい、腸内細菌社会は殺我と混乱の場になってしまう。
これでは心身ともに弱者が健全に健康になれるわけはありません。
お米の化学成分表を資料に、白米よりも玄米が良い根拠を『米食パワーを見直そう』(福場博保著・ちくま文庫)から関連部分をやや長くなりますが引用させていただきます。
玄米・パワーはこんなにある!
成長期に欠かせないビタミンB1
精白によって、玄米の栄養素からとくに低下する栄養素はビタミンBlです。
B1は体のなかでは、糖質の代謝には欠かせないビタミンです。
(二木謙三博士も指摘しています)ビタミンB1の少ない白米食は、炭水化物の代謝が十分に行われないため、さまざまな欠乏症が多発します。
製薬会社はB1剤を製造して儲け、医師はB1剤を注射や錠剤で患者に一時的に補給して欠乏状態をしのがせてよろこぼれます。
医者も製薬会社も、自米社会と白米食者のおかげで大繁盛です。
玄米食社会になると、そうはいかなくなります。
玄米食を普及させてはならない理由は、こうしたところにもあるのです。
さて、人体は「1000キロカロリーのエネルギーを摂取した時、少なくとも0.23mgのビタミンB1が必要です。
0.4mgもとれば充分と考えられています。
平均的な日本人は、2000キロカロリー程度のエネルギーの摂取が必要とされています。
したがって、0.8mgくらいを毎日とればよいということになります。
最近の食生活は昔に比べかなり変化してきていますので、昔よりもビタミンB1を多く含む食品を食べるようになってきています。
しかし、調理時や添加物や環境の影響による損失を考慮にいれれば、十分な量をとれているとはいえません。
ことに、活発に動きまわる子供たちは砂糖や砂糖含みの菓子類をとる機会を避けられませんから、ビタミンB1の消耗も多く、したがって摂取量も多くなければなりません。
ビタミンB1は、成長期において知育発育に大きな影響力をもつものです。
正常な情緒を養うために不可欠などタミンです。
また、アルコール多飲とビタミンB1の欠乏による症例(ウェルニッケ脳症)などという病気も報告されています。注意が肝心です。」
不足すると恐いビタミンB群
ナイアシン(ニコチン酸の別称)やパントテン酸、ビタミンB1なども、不足すると様々な障害をもたらします。
ナイアシンが欠乏するとペラグラとよばれる皮膚炎を起こし、パントテン酸不足は血圧の低下により疲労しやすくなります。
ビタミンB1は悪性貧血の治療剤としても使われています。
ビタミンB1に劣らず成長期に欠かせない成長促進作用があり、さらに動脈硬化の予防に役立つと認められています。
ビタミンB6はつわり予防に顕著な効果があるビタミンですから、特に妊娠中は留意したいことです。」
玄米食をしていれば、すくなくともこれらが大きく不足するということはありえないことです。
毎日が玄米食なら、適度にたえずゆきわたらせられるわけです。
コリンの肝硬変予防効果
コリン、イノシトールも「B群」のビタミンです。
後者は玄米のヌカ層に多く含まれ、幼児期に成長発育するための促進因子であるといわれています。
高脂肪食やアルコールを多飲する人がかかりやすい脂肪肝や肝硬変の予防に欠かせないのがコリンです。
玄米には100g当たり約70mgのコリンが含まれています。
このコリンは、体の中で、肝臓に異常に脂肪が蓄積する反応を制御する役割を果たしています。
また、コリンはアセチルコリンという化合物になって神経伝達にも重要な役割を果たす物質です。
さらには、高塩分食による血圧上昇の防止効果も報告されています。」
玄米はミネラルの宝庫
玄米と白米を比較すると、成分的には、カルシウム、リン、鉄、カリウムの含有比は、それぞれ玄米の方が、167%、214%、220%、227%と圧倒的に多いのです。
カルシウムや鉄は一般的な日本人の食生活では不足しやすいものです。
このようなミネラルが豊かに含まれている玄米は、日本人にとってすぐれた栄養源です。
その他、各種ミネラル量を白米と比較しました。
微量ミネラル量についても、明らかに白米より玄米の方が量多く含まれています。」
細胞膜を守り、老化を防止するビタミンE
ビタミンEは、従来、生殖をコントロールするビタミンと考えられていました。
ところが、最近の研究によって、単に生殖だけではなく、体全体に対して大きな生理活性をもつものであることがわかってきました。
つまり、ビタミンEは、私たちの体のなかのすべての細胞の膜に分布して、膜の安定に役立っているのです。
細胞膜にはリノール酸が多量に含まれていますが、このリノール酸が酸化されると、膜の機能を劣化させてしまいます。
ところが、リノール酸が酸化される時にビタミンEが膜に存在していますと、ビタミンEは酸化に働こうとしている酸素を吸収して、リノール酸を安全に保護し、膜の劣化を防ぐのです。
もしも、ビタミンEが不足すると、膜が広がり、細胞あるいは細胞のなかで大事な生理活性の役割を果たしている、ミトコンドリア、ミクロゾームなどの活性粒子が破壊されてしまいます。
そして、生理機能が低下します。「細胞膜の門番」として、ビタミンEの役割はきわめて重要なのです。
また過酸化脂質もみのがせません。
過酸化脂質は、リノール酸のような、酸化されやすい脂質が酸化されて生ずる酸化物です。
これらが体内にたまると、ある場合には心臓病、ガンその他の各種の成人病の引き金になる危険性が増大します。
過酸化脂質はタンパク質などと結合すると、リボフスチンというものになり、神経細胞や脳細胞などに蓄積するといわれています。
リボフスチンは、老化色素ともいわれ、老化とともに体内に徐々にたまっていきます。
そして、神経伝達や脳細胞における各種の機能を低下させることになります。
ビタミンEがあれば、過酸化脂質の生成を防げ、過酸化脂質から導かれるリボフスチンの生成をも防ぎます。
すべての細胞が健全で、年をとってもその機能が衰えないようにするためには、すべての細胞の膜組織にビタミンEを十分に配置しておくことが大切です。
ビタミンEは、当初、小麦の胚芽から見つけられましたが、すべての植物の胚芽組織には多量に含まれています。
玄米にも多量に含まれていることは、よく知られています。
にもかかわらず現代人は、玄米を白米にして、ビタミンEやその他のビタミン、ミネラルを捨て去ってしまっておいて、白米を食べ、薬剤化したビタミンEやミネラル類を買い求めて補給しています。
しかし、人工ビタミンやミネラルは、玄米でとる天然のものとは、非常にちがうモノになってしまっていて効能と効果にも大きな差があります。
このビタミンEを摂取するためには、玄米のほかに、胚芽を含んだ玄穀物類を摂るのが正しい方法です。
玄米の食物繊維
玄米に含まれるダイエタリーファイバーの量はNDF値で、白米の約三倍もあります。
NDFとは、セルロース、ヘミセルロース、リグニンの三種の総量のことです。
食物繊維がガン予防するうえで重要な役割を果たしていることは、いまやよく知られています。
ヘミセルロースは腸管を通過する間に、各種の有害物質を吸着し、その排泄にたいへん役立っています。
精米によってこれが著しく減少することは非常にもったいないことです。」
以上のようにお米の精白化(白米化)は、生命の浪費であり、
栄養資源の損耗であり、弱者をますます弱者にするメカニズムに構築されるのです。
お米の精白化は、人間をも、社会をも、国をも地球をも、浪費の果ての身体精薄に仕立て上げます。
そうなってはならぬと、アメリカではすでに十数年前から精白しない穀物を食べる運動が政府の指導で行われているというのに、日本ではいまもって精白礼讃、精白化推進を政府も協賛しているありさまです。
国民をますます弱者にし、一部の特権企業や金持など強者をますます強者にせんがための政治を行っているとみられてもしかたありません。
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