身土不二と食物
外国などへ旅行する時、生ま水を飲むなと注意されます。
おなかをこわしやすいからです。
なぜ旅先の水は飲まないほうがよいのでしょう。
理由はいろいろあります。
いちばんの理由は、水質のちがいによる胃腸障害と伝染病の感染でしょう。
水質のちがいは胃腸をこわしやすくし内臓にストレスを与え、伝染病に感染しやすくする。
いったん煮沸した水や、公認の飲み水なら飲んでよいとされています。
こうしたことのために胃腸がとくに弱いひとは、自分用の飲用水を持参で外国旅行するひともいます。
異国、異風土の水は、日常飲み慣れている水とは、やはりいろいろと違いがあるのです。
水の化学記号はH2Oです。
H2Oで表示される水は、みんな同じに見えます。
学問上は水をH2Oと表示して一律に扱ってしまいますが、実生活上は一律ではありません。
さまざまな水があるのです。
水はH2Oだから、世界中のどこの水もみな同じはず、だからどこの水をどう飲もうと害はないはず、というぐあいにはいかないのです。
旅先きの水のちがいは明らかです。
ところが現代栄養学は、水はH2Oだからみな同じという考えです。
たとえば、タンパク質を一日75五グラム摂取しなさいという場合、肉でも卵でも魚でも大豆でも、要するに75グラムのタンパク質量であれば栄養的に摂取されているとみなします。
アメリカ産の牛肉であろうと、ニュージーランドやオーストラリア産の牛肉だろうと羊肉だろうと、人工暗室で飼育されたブロイラーであろうと、南アフリカの先でとれた魚だろうと、東南アジアの海で養殖されたエビであろうと、中国産の大豆であろうと、産地などかまいません。
値段が安くて食べられればいいのです。
商社は世界各地から商売になりそうな食物や食品をなんでも輸入し、食品会社はそれを日本人向きに巧妙に体裁よく加工して栄養食晶に仕上げます。
栄養士、調理師、料理人は栄養計算法にもとづいて栄養価を算出し、これこのとおり栄養があるから栄養食だというわけです。
水でさえ「処かわれば品かわる」 で、飲用には注意に注意をせねばならないのに、品質が水よりはるかに複雑な食糧や食品畔、経済効率さえよければ処かまわず輸入されてしまう。
表面的な衛生状態と栄養価だけで大手を振って流通し、使用されています。
これは、国民の健康を考える立場からは大問題です。
異空の産物は、異風土の元素から成り立っています。
タンパク質も脂肪も炭水化物も、その他の栄養素(ビタミンやミネラル)も、みなそれぞれ産地の元素によって成り立っている。
元素は、どこのどの元素も同じ記号の同じ表示だから元素にちがいはあるものかと、科学者も一般常識者も考えます。
しかし仮りに同じ元素でつくられたとしても、産地が異なれば異なった産物に仕上がってしまう。
さきほどのH2Oがよい見本です。
輸入食糧と国産食糧とでは、同じ品名や名称や、同じような形態をしていても、その成分のタンパク質は同じではないし、脂肪も炭水化物も、ビタミンもミネラルも、それぞれにちがいがあります。
たとえば日本の米(ジャポニカ)は食べてからだを違〃にするはたらきをしますが、外国産の米(インディカ)は��冷〃にするとはいいませんが日本の米ほどの「温」効能は保有していません。
水(H2O)ひとつを観察しても、土地によって水質や成分にちがいがあり、飲用の適不適があるように、食物も国内産と外国産にはちがいがあります。
国産の食物は、この日本の風土の光や水や土中の元素が結合しあったものです。
ですからこの風土の日光を浴び、この風土の空気を呼吸し、この風土の水を飲む日本人の人体によく共鳴しあってストレスや障害を生じさせる割合はすくなくすませます。
外国産の食物は国内産と同じというわけにはいきません。
その土地、その土地に生活する人体には適応しやすくても、「処かわれば晶かわる」ことを認識しておくべきです。
その程度の人体への不適合や不適応は微々たる問題といわれるかしれませんが、毎日の常食となると重大です。
なにを食べても丈夫で健康に自信ある強者には問題なくても、私のように生来弱かった者や、老人や乳幼児、それにいま病気治療とか療養中の人たちにはまざれもなく相当な負担になるのは事実です。
負担のみならず、病気の原因や、病気を促進する要因になっているのが事実です。
医学と医療が、日進月歩で進歩しているといつも自負しているにかかわらず、病気と病人と国民医療費はいっこうに減らず増大しつづけている、この原因のひとつに輸入食糧品の氾濫と常習による食の無秩序を挙げることができます。
輸入食品は弱者をますます弱者にする、病人をますます病人にする、そうした性格と性質のものなのです。
「生活しているその土地に正しい農法によってできる、その季節のものが最良の食べもので、それを正しく料理して、正しく食べる」ことの大切さは、日本人だけに当てはまることではありません。
世界中のひとすべてがともに守らなくてはいけない自然の法則であり、生命の秩序です。
異風土・異国の珍しい食物や食品は、噂好品として一年に一、二度のごちそうとして食べるのなら害はないでしょうが、常食は健康を害う一大原因となる性格・性質のものです。-----
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